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まこ先のきまぐれラクダ日記

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28. 授業研究

 小教研の研究授業があり、井波小学校に参観に出かけた。2年生の国語科の授業を見た。「サンゴの海の生き物たち」という説明文の学習だ。ぼくも来月から取り組む単元なのでいろいろアイデアをいただこうと思って楽しみにでかけた。
 授業と協議会を通していくつか感じたことがあるが、ここでは2つだけ書こうと思う。
 一つめは、映像や視聴覚資料(デジタルコンテンツも含む)と叙述とのかかわりだ。この教材にはカクレクマノミという魚が出てくる。そう、あの「ファインディング・ニモ」の主人公だ。今日の授業者も、やはり意欲付けに「ニモ」に登場してもらったのだが、本時の課題にも「ニモになって説明しよう」と、映画頼みでいったのがどうもうまくなかった。子供たちは、教材文の叙述からではなく、映画のストーリーから話をしようとするのだ。授業者も困っていたが、これは子供たちをせめるわけにはいかない。「ニモ」で導入の意欲づけをはかるが、学習ではちゃんと叙述にかえることができるような進め方の工夫が必要であった。
 また、途中で、イソギンチャクの中のクマノミの動画クリップを見せようとした場面があったのだが、(研究授業でよくあるように)準備しておいたはずのプロジェクタの電源が落ち、パソコンがフリーズしているというハプニングがあり、すっかりそこで子供たちの意識が途切れてしまった。叙述の読み取りを確かにするために、あの場面で動画を見せる必要があったのか?という大事な問いかけをする前に、「やっぱり機械に頼るとだめだね」みたいな話になりがちだったのはどうにも残念である。
 学習指導要領解説には(p46)「映像情報は教材の理解を助け、児童の想像を広げるものである。その反面、具体的なイメージを与えることで想像を限定してしまうという可能性もある。」とわざわざ指摘している。「国語科の立場としては、絵や写真をあくまでも文字表現に対する情報補足として活用することが望ましい」ということなのだ。2年生の子供たちにとっては、「ニモ」はやはりあまりにもイメージが強すぎたということであろう。
 二つめは、1時間の授業のゴールの問題だ。とくに国語では、「今日1時間で何が分かった、何ができるようになった」というゴールが曖昧なまま終わることが多い。自分もいつもそうだ。長い単元ではとくにそうなりがちである。でも、それでは教師も子どもも1時間の授業に満足感を得られないままだ。説明文や物語文の学習であっても、今日はこれが分かったということがはっきりするような手立てが必要だろう。たとえば、ワークシート的なプリントを1時間の最後に記入して、確かめに使うとかいうことだ。「振り返りカード」などといって、「今日の勉強はおもしろかった」とか、自己評価は「まあまあ」とかでは、ちゃんとゴールにたどり着いたかどうかが分からない。自分の授業の問題点のひとつもまさにここにある。
by mac04 | 2004-09-16 19:56 | 日常
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小学校教師のつぶやき。昔は情報教育についての話題も発信してました。


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